暗号戦史
「エ行 作品」
作品名 英国機密ファイルの昭和天皇
著者名 徳本 栄一郎
初出誌:文芸春秋:2005.10号
「昭和天皇『占領2400日』の戦い」
:追加取材、加筆、構成」

発行日:2007.5.25
出版社:新潮社
形式:四六版
目次
プロローグ 白洲次郎の涙
第一部 戦前編
 第一章 二重戦略―秩父宮留学の裏で―
 第二章 秘密交渉―吉田茂の「示唆」―
 第三章 日英緊迫―天皇の懇願―
 第四章 反逆大使―戻らない針―
 第五章 豪腕首相―切り捨てられた日本―
第二部 戦後編
 第六章 皇室危機―資産隠匿疑惑―
 第七章 天皇改宗―ローマの触手―
 第八章 退位計画―英米の鍔迫り合い―
 第九章 皇太子攻略―家庭教師派遣に固執した英国―
エピローグ 皇居を見据えるユニオン・ジャック
ストーリーの概要
ヒロヒトの全てを報告せよ----。
インテリジェンス先進国の英国は、かつて七つの海を支配した情報網を駆使し、敵対関係となった太平洋戦争前後も、わが国を冷徹に見つめ続けていた。とりわけそのターゲットとなったのは、日本のトップ、"天皇裕仁"だった。
退位計画、カトリック改宗説、皇室の資産隠匿疑惑。そして、天皇の"名代"として動いた、吉田茂、白洲次郎の暗躍まで。何から何まで、英国に筒抜けだったのだ。
ロンドンの公文書館に眠っていた、知られざる昭和天皇の真相!

登場人物としては、昭和天皇、天皇の弟 秩父宮、戦前の駐英大使そして占領期の首相であった吉田茂、吉田の右腕としてGHQと対峙した白洲次郎、駐日英国大使クレーギー(1937-1942東京)等

英国のロイヤルファミリーと日本皇室との繋がりの深さも、種々の文書や実際の交際の中で見えてくる。
暗号について
第一部 戦前編 : 第二章 秘密交渉―吉田茂の「示唆」―

・1936年、吉田が英国大使だった時行った「日英秘密交渉」、その裏側が英国に暗号解読されていた。そして、その情報から日本が英国の外交電を解読していたことがばれた。
・英国情報機関は、英国民間通信会社ケーブル・アンド・ワイヤレス社等の協力で、日本の在欧公館と東京との間の公電コピーを入手。それをGCCSに渡し、解読。
・1936.6.9、解読された公電:6.3に宇垣外務大臣と吉田の間の公電・・・これにより日本が英国の暗号公電を解読していた事実が判明。しかし、英側も同様に暗号解読をしてるので抗議できず、暗号を変更した。
・その公電の内容から、吉田は外相に情報を上げていない。外相は英公電の解読から情報を得ている不可解な事実も判明。
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