作品名 パールハーバー トップは情報洪水の中でいかに決断すべきか (Pearl Harbor) 著者名 ロベルタ・ウールステッター (Roberta Wohlstetter) (訳:岩島久夫・斐子) 発行日:S62.12.21
出版社:読売新聞社
形式:四六判目次
無視された情報―爆撃前の数時間
極秘情報マジック
情報をめぐるワシントンの葛藤
軽視されていた情報部
日本の戦争計画の真相
核時代の奇襲は避けられるかストーリーの概要 1946年に出版されたパールハーバー奇襲に関する議会査問委員会の39巻の記録と、政治家や軍事指導者の回想録、公刊戦史等の客観的記述によるものである。
米国の海軍省と国防通信ステムの適切な機能を阻害した複雑怪奇な各軍事機関のかいだ、それらの内部の葛藤と策動に光を当て、記述した。
こうした軍の機関の闘争が、国家安全保障上の大事な問題をぼやけさせてしまった。
目次の細部
*無視された情報―爆撃前の数時間
1危機シグナルになぜ無反応だったか 2真珠湾の情報組織はどうなっていたか? 3遅れた警報
*極秘情報マジック
1軍にとっての「マジック」 2「解読している」という秘密 3外交通信としての「マジック」 4スパイ通信が語るもの 5東の風、雨 6土壇場の「マジック」
*情報をめぐるワシントンの葛藤
1極東への基本的な無関心 2フェンシング外交―11月20日から同26日まで 3現地部隊への警報発信 4開戦直前の外交と諸情報
*軽視されていた情報部
1陸軍情報部―その仕組みと担当者たち 2陸軍情報部の見積もり 3海軍情報部 4海軍情報部の見積もり
*日本の戦争計画の真相
1用意周到だった日本 2日本の政策決定と長期見積り 3短期計画しかなかった日本
*核時代の奇襲は避けられるか
1情報源を再確認する 2暗号図絵の展望暗号について * マジック情報という見事な作業に献身的努力をした偉大な暗号分析者フリ−ドマン大佐と陸海軍のチームに感謝。フリードマン大佐は、安全保障上の明確な理由から、本書中の暗号解読に間する部分についてコメントこそしてもらえなかったが、彼の時間と知恵を惜しみなく提供してくれた。帽子の中から兎を取り出したフリードマンと、名前を明かすことのできないマジシャン達に敬意と謝意を表する。
*米国政府は、「マジック」文書の中から多くの秘密通信文を次々と解除してきた。この文書は、日本政府と海外の大使館、領事館との間の通信文を傍受解読したものである。
*記述の主体は、上記のようにマジックによる暗号解読文を例示しての分析であり、記述することは不可能であるので省略。