暗号戦史
「ヒ行 作品」
作品名 悲運の大使 野村吉三郎
著者名 豊田 穣
発行日:1992.10.28
出版社:講談社
形式:四六判
目次
第1章 その日のワシントン
第2章 野村吉三郎の生い立ち
第3章 ワシントン軍縮会議
第4章 上海事変と遭難
第5章 外相から駐米大使へ
第6章 奇怪!「日米了解案」
第7章 苦心の和平交渉
ストーリーの概要
(帯)
和平か戦争か。国家の命運を託された男の生涯。
外交舞台での活躍と海軍きってのアメリカ通を買われ、特命全権大使として対米折衝に奔走するが、最後通牒一時間前の真珠湾攻撃。歴史の大きな波は、提督外交官をも呑み込んだ。
・彼にとってもっとも悲劇的な事件は、言うまでもなく真珠湾攻撃直前の対米通告であった。最後通牒が翻訳の遅れとタイプを打つ事務員を書記官だけに限定されたと言うような微妙な内部事情の連続で、対米通告手交の前に真珠湾にわが攻撃隊の第1弾が投下され、ルーズベルトに"日本はもっとも汚辱に満ちただまし討ちをやった"と言う厳しい批判にさらされ、アメリカの参戦を議会に要請するという機会を与えたことである。
・このような悲劇的な野村の生涯をその三つの節目とともに描き、いまだに謎とされている"ルーズベルトは真珠湾攻撃を知っていたか?"を大きなテーマとして検証。
暗号について
第1章 その日のワシントン
・対米最後通牒発電
 最後通牒発電に至るまでの経緯と大使館の雰囲気
・「対米通告」電報の発出とその提出遅延の理由を検証
 外務省の認識と大使館の認識とのずれ
 米側は、暗号解読により、大使館よりも内容を承知
・「これは戦争を意味する」――ルーズベルト
 最後通牒遅れとルーズベルト周辺の状況
 明石大佐の情報活動
・検証・真珠湾はだまし討ちだったのか?――ルーズベルトは何を知っていたのか?
 著者が米軍捕虜になったときの取調べの状況
 ワシントンの陰謀はあったのか?
・機動部隊は発見されていた?という説について検証する
・日本側の対米情報収集――大使館の野村と武官たち
 吉川少尉のスパイ活動
 連合艦隊の対暗号解読対処
・実松大使館武官補佐官の回想
・開戦当日のワシントン武官室
 暗号書等の処理
・再び米軍による機動部隊の追跡について
 ウィンド・メッセージ
 いくつかの兆候がありながら米は無視?
*ジョン・トーランドの「真珠湾攻撃」について疑問・・・・・検証
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