暗号戦史
「フ行 作品」
作品名 フィンランドにおける通信諜報    (「昭和軍事秘話 上」所収)
著者名 広瀬 栄一
発行日:S62.12.10
出版社:同台経済懇話会
形式:A5
目次
「なし」


(同台クラブ講演集)
ストーリーの概要
太平洋戦争当時、フィンランドに駐在し、通信諜報特に暗号解読に携わった講師による実話。
内容は、表題の通り。細部は、下欄「暗号について」

広瀬氏の略歴
明治44年香川県に生れる。陸士43期卒。陸大52期卒。
昭和15年参謀本部部員。昭和16年フィンランド駐在。昭和19年フィンランド公使館付武官補佐官。昭和20年陸軍大臣秘書官。終戦時中佐。
戦後、陸上自衛隊に入る。陸幕二部長、第12師団長、北部方面総監等を歴任。昭和43年退官。
暗号について
* 暗号との出会い
・ 満州事変のとき、ハルピンの東・一面坡に滞在。ロシア人の娘から「暗号を教えてやる」と言われる。
  ロシア語のアルファベットを書き、その下に「Импeратор(皇帝)」と言う文字を書き、その後にアルファベットに入っていない文字を並べていく。AはИ、Bはмと換字するように暗号を組むことが出来る。当時、白系ロシア人がシベリアを通って逃げてきた時に、お互いの連絡に使用したらしい。
・ 昭和15年、参謀本部に呼ばれ、第18班、即ち暗号解読班に配置された。底で、暗号解読の勉強をした。
・ 昭和16年1月、18班は、シンガポールの英極東情報部長が英本国に打った電報を解読、参謀次長から金一封を貰う。
* フィンランドへ
・ 昭和16年、ヨーロッパに機関を設置する計画があり、フィンランドに行った。
・ お土産は、ソ連の五数字暗号の解読要領(解読基準
・ フィンランドのソ連のバルチック艦隊を対象とした通信解読所で勤務。
  スターリン全集を使用した暗号を解く。事後陸軍暗号正面へ異動。
・ フィンランドの大本営には私服で来いと言われる。・・・ソ連に目立たないにように。
・ ドイツ戦線におけるソ連暗号の解読が進み、感謝される。
・ 女性の手相を見て、仲良くなり、自然に情報が入手できた。
* 暗号解読
・ 気象通報の解読:飛行機を飛ばし、飛んだ後出る電報を傍受、推測すれば解読可能だ・・・解読でき専門家になる。
・ ウラジオストックの電報:子音、母音、子音、母音と入れると上手く生きそう。モスコーの太田公使かな?船のナニナニ丸の丸かな?等推測すると解読句可能・・・・信頼度高まる。
・ 英米の暗号解読にも手をつける。
・ 昭和16年のクリスマスに、暗号解読の功績大によりフィンランドから勲章を受ける。
・ フィンランドの降伏の徴候をつかむ。
* これからの諜報と謀略
・暗号解読より偵察衛星の時代
* 質疑応答から
* 解読には:沢山の資料が必要。使用者側のミスが大きな端緒。通信手の癖。
* フィンランドにいるとき、クリプトテクニックという暗号機の購入調整を実施。
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