暗号戦史
「イ行 作品」
作品名 一暗号兵の参戦回想記
著者名 石村 力三
発行日:1980.5.11
出版社:自費出版(非売品)
形式:四六判
目次
* 満州編
* 比島編
* トラック島編
ストーリーの概要
 元第52師団海上輸送隊の暗号兵として参戦した大東亜戦争の回想記
 東部第15部隊に入隊、満州中支比島とトラック島に、満州第1273部隊から暁部隊更に柏部隊と名称も変り、第52師団海上輸送隊に至るまで転戦を続け、転進に続く転進で部隊の動きは荒々しく、その中にあって兵隊の苦しみと楽しみを戦友諸兄の思い出などを含め、復員までを綴る。
暗号について
* 満州編
 ・ 暗号教育:
  ・ 教育期間は3カ月、「暗号とは」の教育
  ・ 部隊換字表、乱数表の基本的事項。その欠点
  ・ 暗号の管理の厳重さ。通信兵は暗号について何も知らない。暗号兵は通信のことは何も知らない。・・・防諜上
 
* 比島編
 ・ セブ島到着:
  ・ 陸軍暗号書、船舶暗号書、陸海軍協同作戦用暗号書等の暗号書受領のため予期せぬ外出
  ・ 米軍の作戦→日本軍の作戦が「つつぬけ」→暗号の解読?・・・海軍関係?
 ・ ニュ―ギニヤ転進命令
  ・ 本部暗号班は、ミサミスの2階建て一軒家に移動、僅か3名で勤務
  ・ 軍事機密電報の受電・・・緊張・・・軍機では軍事機密電報は通信将校が扱う・・・中尉不在で兵隊が実施
   ・「転進命令」の内容の重大さ・・・部隊長に送達するため官舎へ・・・受領印を戴く。
 ・ さらばミサミス
  ・ 暗号書の最後の点検
 ・ セブ経由マニラ港へ
  ・ 撃沈された場合・・・暗号兵としては銃を棄て、銃より大切な暗号書、マッチ、時計を重視。
    銃は捨てるが剣を持つ。マッチは暗号書の焼却用。時計は方向を知るため。

* トラック島編
 ・ 名刀と曹長と軍曹と
  ・ 通信班長・山畑軍曹は連合軍上陸真近と判断、暗号兵の制止も聞かず暗号書を焼却してしまう。
  ・ 仲山中尉に再発行を申請。始末書で処分。
  ・ 再発行までの僅かな期間、連絡に2キロの山道を徒歩連絡。「トンツウ」で済むものを鉄棒被って・・・。
 ・ 春島基地と第3中隊
  ・ 形山兵長は無線兵であるが、暗号手も兼ねていた。使用規定を説明し、組ませて打電した。
 ・ 環礁視察随行
  ・ 暗号をやることは屁でもないが、師団参謀の瑞光は嫌だな。暗号書等準備して寝る。
 ・生文と宮内一等兵の進級談義
  ・第3中隊からの電報が翻訳できない。「ホフシラ」(翻訳不能調べよ)と再打電依頼。
  ・田中上等兵は、俺の受電が解けぬとあっては通信兵の恥と「この馬鹿野郎しっかり打電しろ」と生文打電。
  ・泡食った第3中隊通信班は暗号兵を呼びつけ組み直して再打電。こんどは完璧
  ・生文打電は、師団通信隊に傍受され問題に。暗号兵の再教育実施。
 ・ 部隊を端末にした兵隊
  ・再教育で居眠り、油をしぼられる。通信競技大会の実施決まる。
  ・師団司令部→通信文受領→伝令→有線送信→優先受信→伝令→手旗送信→手旗受信→伝令→暗号→無線送信→無線受信→暗号→通信参謀
  ・暗号兵の番で、「一」は余計だと削除・・・・これが誤りで最下位に
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