暗号戦史
「イ行 作品」
作品名 インテリジェンスの歴史   水晶を覗こうとする者たち
著者名 北岡 元
発行日:2006.9.30
出版社:慶応義塾出版会
形式:四六判
目次
プロローグ 水晶玉を覗こうとする男たち
第1章 歴史を辿るための理論
第2章 インフォメーションの伝達速度
第3章 相手方の意図に関するインフォメーションの入手
第4章 インテリジェンス業務の組織化
第5章 第二次世界大戦終了後、冷戦終結までの時代
第6章 冷戦終結後、九・一一後の世界と三つの処方箋
エピローグ 二つの未来図
ストーリーの概要
 インテリジェンスとはリアルタイムで情報を収集・分析し、相手の意図をも探り出すことである。歴史を辿りながらその作業の「途方もなさ」を知り、将来を少しでも確実に予測するにはどうすれば良いかを考える。

 先ず、インテリジェントサイクル(インテリ ジェンスを望む人→どういった情報が欲しいのか→リクエストに応じて収集→収集した情報を加工→加工された情報群を元に分析・検討・推測し一定の答えを導く→望む人に提供→それを受け取った人はそこからさらに 必要なインテリジェンスを望む→これが延々と回り続ける)を 明らかにしている。

 そして、インテリジェンスを構成する情報は2つに分けられるとしている。
  「地形や人口等の」基礎情報と「兵器や駐屯地等の」常に変わる情報

 得る手段と伝達手段が限られていた過去では基礎情報が主になり、技術の発展により常に変わる情報がそれを左右する度合いが高まってきた事実。そして20世紀の初めには物理的問題は基本的に解決したこと。

 が、技術が進化した故に、そして入手できる情報が増加した為、それを処理・分析する仕組みが必要になったこと。

 ・・・等々を中近代、両大戦期&冷戦期、そして9.11テロ以降の各国家(中近代はヨーロッパ、それ以降はアメリカ)の動きと重ねて述べている。
暗号について
第2章 インフォメーションの伝達速度
2 19世紀の半ば以降、第2次世界大戦終結までの状況
 ・ 無線通信の発明により暗号化と解読の必要性が生じた・・・伝送速度の低下
 ・ 第1次世界大戦後、重要な連絡は全て暗号化されるようになった。機械的暗号化と解読システムにより時間差が縮小。

第3章 相手方の意図に関するインフォメーションの入手
 1 信書開披と暗号
 ・ 信書開披から通信傍受へ
 ・ フランスの「機密室」
 ・ 英国における暗号解読の始まり・・・バビントン陰謀事件
 ・ 英国における暗号解読の制度化・・・シークレット・オフィス、ジョン・サーロー、ボード家、ブレンコー
 2 通信傍受と暗号
 ・ 第1字大戦後、飛躍的に進歩
 ・ 英国・・・ROOM40、GC&CS、GCHQ
 ・ 米国・・・ヤードリー、ブラック・チェンバー、陸軍通信情報部、海軍暗号通信課
 ・ 仏国・・・陸軍参謀第2部、ギュスターヴ・ベルトラン
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