暗号戦史
「カ行 作品」
作品名 開戦前夜
著者名 児島 襄
発行日:1973.11.25
出版社:集英社
形式:四六判
目次
「なし」
ストーリーの概要
 昭和15年秋、日米関係は最悪の季節をむかえた。一億一人の国内新体制のもとに北部仏印進駐、三国同盟締結等が次々なされてゆく。
 米国の反応は厳しい。対日輸出禁止、渡航制限など。やがて海軍大将野村吉三郎が新大使として赴任する。
 日米開戦を避けるための事前交渉にあたった駐米大使野村吉三郎と、日米和解の仲介のため、日本を訪れた2人のアメリカ人神父を軸に、大東亜戦争(本文の表記では太平洋戦争)に至るまでの流れを詳細に書いている。

日米交渉の経過は、日本側の内部不統一を露呈している。政府には一貫した方針もなく、首相、外相、大使の間に連携もなかった。開戦に至らせたものは破られた暗号だけではなかった。
実際にワシントンにいた駐在武官が監視されていたり、日米交渉は事実上、国務省のホーンベック顧問が仕切っていた。
…理解の拒否、善意の拒絶、強圧と屈服。それは“交渉”という名に価するものであったのか。

暗号について
* 米国による日本外務省機械暗号の解読
 ・ フリードマン、クラークの努力
 ・ 電文傍受、解読の担当、要領、解読電報の処理、回覧範囲
 ・ 解読された外交暗号電の外交に対する影響
 ・ 開戦命令の隠語
 ・ 風暗号
 ・ 外務省の電話隠語とその使用例
* 在米日本大使館から暗号電報を東京に打電する要領
 ・ 手段
 ・ 館長暗号(機密暗号)に関する松岡外相からの注意電・・・米の対応
* 日本海軍による英暗号の解読
 ・ 米ハル長官→中米英国大使→ロンドンに打電→在日英大使館へ転電
* 駐独日本大使から東京宛電報の解読
 ・ 立花中佐事件への影響
* 最後通牒時の暗号処理
 ・ 暗号書、暗号機械の破棄
 ・ 最後通牒の翻訳処理遅延
 ・ 米による解読・・・マジックの処理
 ・ ハワイへの緊急電の遅れの理由
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