暗号戦史
「カ行 作品」
作品名 回想の日本外交
著者名 西 春彦
発行日:1965.2.20
出版社:岩波書店
形式:新書
目次
第1章 外務省に入って
第2章 中国からソ連へ
第3章 八年間の国内在勤
第4章 緊迫化の中ソ両国
第5章 戦争前後の外務省
第6章 日米開戦
第7章 オーストラリアからイギリスへ
第8章 日米新安保条約を憂う
第9章 私が説に願うこと
ストーリーの概要
 著者が大正7年外務省に入ってから外交官勤務30年、在野勤務を含め46年間の経験した外交交渉等の教訓、信念を回想したもの。

目次の細部
第1章 外務省に入って
1 第1次大戦直後の外務省  2 ニューヨークの官補生活
第2章 中国からソ連へ
1 30歳の長春領事  2 日ソ漁業条約の交渉
第3章 八年間の国内在勤
1 通商外交を主管して  2 北鉄(東支鉄道)買収問題
第4章 緊迫化の中ソ両国
1 日華事変前後の青島  2 張鼓峰事件前後
第5章 戦争前後の外務省
1 ノモンハン事件と貿易省問題  2 松岡人事と日ソ中立条約
第6章 日米開戦
1 東郷外相を補佐して  2 暗号電報誤読
第7章 オーストラリアからイギリスへ
1 オーストラリアの対日感情  2 日ソ交渉とスエズ問題
第8章 日米新安保条約を憂う
第9章 私が説に願うこと
1 完全軍縮の実現  2 中国問題  3 オーストラリアの再軍備と東南アジア問題
暗号について
第6章 日米開戦
1 東郷外相を補佐して
*極東国際軍事裁判で判明
 ・米による日本の外交暗号の解読・・・・甲案の説明電報の誤訳以上の曲訳
 ・解読日付:11月4日、陸軍24335
 ・駐兵問題。来栖氏の派遣を警戒。暗号戦での敗退

2 暗号電報誤読
*暗号電報誤読の悲劇
 ・真珠湾奇襲に関する調査委員会の報告書第12巻に解読電報の英訳文・・・極東軍事裁判で証拠に採用
 ・全般的には誤りはないが、甲案の説明電報は曲訳・・・証人はこれを避けたので疑問に思う
 ・英訳を読めば誰が見ても「日本政府に交渉に対する誠意はない」という印象・・・日米交渉決裂の大きな原因
 ・例
  ・「・・・交渉を継続する・・・」 → 「・・・交渉継続を賭すこと・・・」
  ・「・・・修正せる最後的譲歩案・・・」 → 「修正せる最後的通牒なり」
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