暗号戦史
「モ行 作品」
作品名 燃える怒涛       真珠湾 1941.12.8
著者名 豊田 穣
初出版:1978.5;三笠書房

発行日:昭和57年8月20日
出版社:集英社
形式:文庫
目次
・一九四一年春・横浜 ・今一人の密使 ・国士松岡シベリアを行く ・東京のソ連スパイ・ゾルゲ ・戦艦長門艦上の春 ・駐日アメリカ大使・グルー ・荻外荘の宰相 ・女性出現! 肝を冷やす ・生い立ち−海への憧れ ・海軍兵学校入校 ・真珠湾・一九四一年春 ・一九四一年春・ワシントン ・寒い春・モスクワとベルリン ・機動部隊 ・グルー大使の日記 ・公達宰相の苦悩 ・ホノルル発暗号第一信 ・ワシントン・一九四一年夏 ・独ソ戦前夜−近衛と松岡− ・独ソついに開戦 ・敵はラハイナ泊地にあり ・対英米戦を辞せず ・松岡外相追い出さる ・密使たちの行方 ・東京の密使たち ・二つの首脳会談 ・グラスボートと女 ・東京のスパイと御前会議 ・浅沈度魚雷とブーツ少佐 ・東条英機首相となる ・尾崎・ゾルゲ逮捕さる ・こよりの密書 ・連合艦隊の戦争決意 ・ワシントン・一九四一年十一月 ・真珠湾遊覧飛行 ・スパイは多忙なり ・最後の電報 ・その日のワシントン ・真珠湾の一番長い日 ・謀者流浪 ・あとがき
ストーリーの概要
日本の興廃をかけたこの一戦・・・旗艦・赤木に上るZ旗、必殺の信念を胸に、荒波をけって発艦する零戦、艦爆、雷撃機、水平爆撃機。
歴史の壮大なドラマの幕開けとなった、真珠湾切り込み作戦の前夜から運命の一日の全貌を、実在した日本人スパイ・森村正(本名:吉川、但し、本書では西川となっている)を主人公に、日米両国の厖大な資料を駆使して描いている。

細部:目次
暗号について
・西川は、軽巡由良の暗号士として赴任。その経験がハワイでの行動に役立った。
・ハワイでのスパイ・オットとの連絡用に簡単な暗号を作った。例:「FP2」はヌアヌとおりの「フォスター・パークで午後2時に会いたい」、「RH3」なら「ロイヤル・ハワイアンホテルのロビーで3時に」
・ゾルゲのスパイの一味・クラウゼンの家から暗号の乱数表が発見される。
・米のマジックは、ハワイ〜東京間の電報を重視していなかった。解読されたのは、真珠湾攻撃以降である。
・東郷外相が、マジックで解読されていたのを知ったのは、極東軍事裁判時である。
・後のハワイ州知事で、冬至ホノルル警察の情報主任だったバーンズは、「1週間ほど前にFBIから日本軍の真珠湾攻撃が切迫していると聞かされた」と新聞のインタビューに答えた。・・・日本とドイツの暗号解読により、米指導者は事前に知っていたと、多くの歴史家達は信じている。
・米のマジックにより外務省暗号の解読について。
・ハワイ領事館に置ける暗号処理が間に合わず、米に持っていかれた。
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