作品名 |
日米開戦以降の日本外交の研究 |
著者名 |
杉原 誠四郎 |
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発行日:1997.7.26
出版社:亜紀書房
形式:四六判 |
目次
序文、謝辞
第1章 日米戦争とポツダム宣言
―ジョセフ・グルーはいかにして日本を救ったか
第2章 日米開戦の真実
―日米開戦に見るルーズベルトの責任
第3章
外務省は開戦通告遅延をなぜ謝罪しない
第4章 天皇の真珠湾訪問は外務省の代理謝罪にならないか
第5章
外務省の真珠湾関係史料の公開は何を意味するか
第6章 首相、この教科書の記述をどうご覧になりますか
第7章 吉田茂ははたして大宰相か |
ストーリーの概要 |
前著『日米開戦とポツダム宣言の真実』を全面改稿
戦後のデタラメ外交の淵源が日米開戦時にあると指摘し、戦後も教科書問題にみられるような無責任外交が続いていることを鋭く批判。
対米覚書遅延の責任者の戦後の生き方・・・謝罪せず、外務省等の要職についた理由!
(保坂正康)
歴史的事実と歴史的真実とは意味が異なっている。事実をどれほど積み重ねても、真実はつかめない。事実を己のものとするには、歴史に対する深い洞察力が必要だ。あの太平洋戦争の開戦と敗戦、そこに積まれた多くの真実から浮かび上がってくる真実とは何か。
「日本外交とは何か」という問題意識をもって、歴史の中に分け入り、そして「国家の品位を保つための適正な外国の必要性」という歴史的真実をつかみ取る。そこに至るプロセスが本書の圧巻。
日本を良く理解していた開戦時の米国の駐日大使ジョセフ・グル―の軌跡、ルーズベルトやハルなど米国政府首脳の思惑と計算、さらにはナチドイツの日本中枢への浸透、日本外務省の戦後まで続いた失態隠蔽、その中心にあった吉田茂の果たした役割などを通じて、日米戦争を歴史的に解明するという作業は誰かの手によって行われなければならなかった。
著者はその役を引き受けて、そして次代への橋渡し役をつとめた。本書が示した教訓に我々は謙虚であらねばならぬとの感がしてならない。 |
暗号について |
第2章 日米開戦の真実
* 当時日本側でも米政府の外交暗号を解読していた。それを米側は日本外交暗号を解読して承知していた。
・ グル―大使は、近衛首相から首脳会談での譲歩案を聞いたが、米政府に通報することを拒否した。日本側に解読され阻止されるの恐れたから。
・ 近衛の秘書・牛場がグル―の部下・エマーソンに解読の事実を話した。
・ 米側はそれを利用して、意図的に情報を流した。米側に有利になるように。
* 米側の日本外交暗号の解読
・ 大使館よりも早く承知、先手を打って対処可能
・ 日本の最後通牒を解読により承知し、「これは戦争を意味する」と言いながら、首脳部が承知しなかったのは何故か?
・ 間の抜けた警告電報の意味?
・ 午後1時は、真珠湾の朝、フィリピンは真夜中・・・戦争に対処するにはどちらか明確
第3章 外務省は開戦通告遅延をなぜ謝罪しない
* 「在米日本大使館の通告遅延に関する質問」にたいする外務省の回答
第4章 天皇の真珠湾訪問は外務省の代理謝罪にならないか
* 「騙し打ち」に対する外務省の責任、吉田茂の企み。
第5章 外務省の真珠湾関係史料の公開は何を意味するか
* 公開された「対米覚書」伝達遅延事情に関する記録
・ その時日本大使館は何をしていたのか
・ 手交遅延への過程
・ 問題のある奥村の報告書 |