暗号戦史
「ヌ行 作品」
作品名 盗まれたアメリカ  (Betrayal from the East) 日本諜報活動の内幕
著者名 アラン・ハインド     (訳:関口 英男)
発行日:1972.6.1
出版社:三崎書房
形式:四六判(ソフト)
目次
1 ショーウィンドーの暗号連絡
2 東六十六番街の陰謀家たち
3 元米軍士官の裏切り
4 写真複製機が糸口に
5 伝書鳩の写真師たち
6 災厄を呼ぶ縮尺模型
7 謎の泡立つ液体
8 日本大使館のマタハリ
9 トレジャー島での出逢い
10 船上の仮面舞踏会
11 死の罠にはまったロボットの王様
12 壊滅した小東京の陰謀
13 マチソン氏旅に出る
14 ウィンチェル記者の特ダネ
15 日本人破戒工作の脅威
ストーリーの概要
太平洋戦争を準備した日本のスパイたちの物語。
真珠湾を遡ること9年、米海軍情報部とFBIは、日本人スパイ網の存在をつかんだ。
人望を集める医学博士と美貌の妻、チャップリンの秘書、日本大使館員、留学生たち等々の行動を追う当局の必死の探索は、徐々にその秘密を明らかにしていく。
膨大なFBI資料その他を駆使して、知られざる諜報戦の内幕を発く。

米国で出版されたのは、戦争中の1943年だと言う。日本では考えられない。
しかし、逆に言うと反日的色彩が強いこの種の本は、当時真珠湾を忘れるなと言うことを含めて政策的要素もあるのかな?
暗号について
1 ショーウィンドーの暗号連絡
米国人と日本のスパイの間の連絡に、ニューヨークの小さな文房具点が利用された。
伯爵ヘルマン・フォン・カイテルと名乗る白人は、私用の便箋を注文し、「その見本をショーウィンドーに陳列して、お客の目を引いてください」と主人に依頼。
陳列した翌日に、一人の日本人がそのサンプルを見ていた。
次は伯爵の名刺を注文し、サンプルとしてショーウィンドーに陳列するように依頼。今度はその陳列の仕方まで指示した。
翌朝、4人の日本人が立ち寄り、陳列振りを一瞥して行った。
そのようなことが何回か続いたが、主人は何か変だなとは思ったが、日本人の諜報活動のための暗号とは気がつかなかった。

その他、随所に暗号を使用したことに記述があるが具体的な暗号については記述されていない。
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