作品名 |
世界スパイ作戦 2次大戦で暗躍した各国情報機関の戦い |
著者名 |
広田 厚司 |
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発行日:2007.10.13
出版社:光人社
形式:NF文庫 (ひN-546) |
目次
第1章 ドイツ編:アプヴェァ(国防軍情報部)他
第2章 英国編:MI5(軍事情報第五課)他
第3章 米国編:OSS(戦略情報局)他
第4章 ソビエト編:オクラナ(秘密警察)他
第5章 その他の諸国編:フランス軍事情報第2局とドジェーム局、BCRA(情報と作戦中央局)他
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ストーリーの概要 |
第二次大戦下、ヨーロッパを制するため大国の思惑が錯綜して、騙し、裏切り、買収、偽造など、各国スパイがうごめく想像を絶する諜報戦がくり広げられた。
ドイツのアプヴェア・グシュタボ・SD、イギリスのMI5・MI6、ダブルクロス委員会、ソ連のNKVD・OGPU・KGB、米国のOSS―その他の情報機関の無法の戦いとその渦中に人知れず消えた情報員たちの活動を描く第二次世界大戦を中心とした裏面戦記。 |
暗号について |
第1章 ドイツ編:アプヴェァ(国防軍情報部)他
・ヴィルヘルム・カナリス:1935〜1944の間、アプヴェアを率いる。
スパイ用無線機・Afu、隠しインク、外務省暗号専門家クルト・セルコンによる新暗号の考案
・アルフレッド・ヘルムート・ナウヨクス:保安諜報局SDの殺人集団の首謀者
ポーランド侵攻時の放送局襲撃計画の秘匿名「缶詰」。その作戦準備完了の秘匿略語「折り返し」、実行命令「祖母は死んだ」
・ランハルド・ゲーレン:ドイツ国防軍参謀本部情報将校、敗戦後西ドイツで「ゲーレン機関」を率いる
赤軍の暗号や軍の規定を組織的に分類し、暗号解析に貢献。
・黒いオーケストラ:ヒトラーの独裁政権転覆を図った地下運動組織
「黒い」:反ヒトラー、「オーケストラ」:情報伝達を短波ラジオの音楽を利用
・エリザ・バズナ:トルコの英大使館から機密情報を盗んだスパイ、別名「キケロ」
英国はアンカラのドイツ大使館からベルリンの外務省に送信されるエニグマ暗号を傍受、ブレッチェリー・パークのXステーションで解読。ドイツに情報が漏れているのを発覚。
第2章 英国編:MI5(軍事情報第五課)他
・ヴァーノン・ケル:MI5の創立者、1942から31年間機関長
英海軍の海軍情報部((40号室);ツインマーマン電報の解読機関)との連携強化。
・マンスフィールド・ジョージ・カミング:MI6の初代機関長
ドイツ海軍の暗号書を沈没したドイツ艦マグデブルグから入手、ドイツ海軍の暗号解読を実施。
・スチュワート・グラハム・メンジース:1939からMI6の長
「政府暗号と暗号学校」;GC&CSを中核として創設された暗号機関「Xステーション」をも管轄。
ドイツのエニグマ暗号機の複製、解読研究。チューリングによるコロサス開発により解読推進。「ウルトラ」情報。
・GCHQ:政府通信本部
1914年、ロンドン西方140キロにあるチェルトナムに創設、ドイツ暗号1500通を解読。
1939年、GC&CSと合併、暗号解読施設「Xステーション」開設。初代所長;アラスター・デニストン中佐。
・ウルトラ情報
ドイツ暗号機エニグマの解読情報。細部記述あり
・アラン・マジソン・チューリング:天才数学者
暗号解析機「ボム」「コロサスMk1」「コロサスMk2」「MADAM」等開発
第3章 米国編:OSS(戦略情報局)他
・ウィリアム・ドノヴァン:OSSの長
日本の暗号解析「マジック情報」と英国の「ウルトラ情報」との交換。
・タイラー・ゲートウッド・ケント:外交官、ロンドンの米大使館で暗号担当。ドイツのスパイになる。
米英間の超極秘の暗号電報をドイツに流す。
第4章 ソビエト編:オクラナ(秘密警察)他
・ハロ・シュルツ・ポイセン:ドイツの反ナチ者。共産党を信奉し「赤いオーケストラ」を組織。
ソビエトは、ポイセン一味に暗号書等を提供。
赤いオーケストラの通信士がドイツの二重スパイに転向したため暗号が解読され、逮捕処刑される。
第5章 その他の諸国編:フランス軍事情報第2局とドジェーム局、BCRA(情報と作戦中央局)他
・ヨハヌス・マリヌス・ドロンカース:オランダの郵便局員、ドイツのスパイ
地下組織を励ますメッセージを放送する。英で解析、「安全到着」の暗号が隠されていた。
英は、蘭英辞書の文字の下に潜んだ微小な点を発見分析、情報を解読。
・フランセスコ・コンスタンチーニ:イタリア英大使館で勤務したスパイ
毎日解読される暗号電報から翻訳された多数の公文書が地下室のゴミ焼却炉で焼かれることを知り、情報を盗む。
英大使館の物品警備の夜勤中に暗号書を持ち出し、写真撮影。
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