暗号戦史
「ト行 作品」
作品名 東郷外相は日米開戦を阻止できた   (「文芸春秋:2009.3号」所収)
著者名 佐藤 元英
発行日:2009.3.1
出版社:文芸春秋社
形式:雑誌
目次
・ ギリギリの譲歩案
・ 辞任と言う「切り札」
・ 軍部の仕込んだ"毒饅頭"
・ 来栖に与えた極秘任務
・ 「野村私案」は現場の暴走?
・ ハル・ノートとタイ工作
・ もし辞任していたら
ストーリーの概要
辞任すれば局面は変わった。新史料で読み解く失敗の本質

新史料:
@ 外務省調書「日米交渉経緯」(昭和17年7月):全627頁
A 野村大使の昭和天皇への上奏文「言上書」(昭和17年8月)

・ 日米開戦時、東條内閣で外務大臣を務めた東郷茂徳はしばしば「悲劇の外相」と呼ばれる。しかし、はたして実態はどうだったのか。
・ 東郷の指揮した日米交渉をつぶさに検討すると、指導者としての決断力の欠如や交渉の細部にこだわりすぎたための失策が浮かび上がる。

三つのポイントから、東郷外交を検討する。
@ 対米交渉案をまとめた11月1日の大本営政府連絡会議
A 野村、来栖に対する対米交渉の指揮の問題
B 「ハル・ノート」への対応
暗号について
・ 野村大使におくる譲歩案の「乙案」から、「南部仏印兵力を北部に移駐する」という重要な譲歩を削除して電報を送った。
  理由→暗号電報が米側に傍受解読されている恐れがあったから。(日本側も傍受していた)
・ 米側は、その後の外務省と大使館との電報送受を米側は傍受解読し、結局譲歩案を全て知っていた。
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