暗号戦史
「ハ行 作品」
作品名 パールハーバー 警告と決定
著者名 ロバータ・ウォルステッター  (訳:北川 知子)
発行日:2019.7.27
出版社:日経BP
形式:新書(800ページ!)
目次

第1章 ホノルルに送られたシグナル
第2章 ホノルルのノイズ
第3章 マジック
第4章 アメリカでのシグナルとノイズ
第5章 ワシントンの謀報機関
第6章 シグナルの背後の現実
第7章 奇襲
補遺
ストーリーの概要
日本側の外交通信の暗号が解読できていたにもかかわらず、日本の連合艦隊による真珠湾への奇襲攻撃を受けた屈辱の失敗について、戦後アメリカでは陸軍・海軍の軍人、諜報関係者を公聴会に呼んで徹底的な原因究明がなされた。
その膨大な資料を元にランド研究所の女性研究員が導き出した軍事史・戦略論・インテリジェンス論の名著。ルーズベルト大統領の陰謀説などを一蹴する見事な分析。

ノーベル経済学賞受賞者でゲーム理論の大家、トーマス・C・シェリングの「本書に寄せて」からーー
「本書は、わが国がなぜ奇襲を予測できなかったのかを入念に探究した類のない研究である。ウォルステッターの努力によってわれわれが易々と轍にはまった(そして日本人に気づかれた)ことが示されれば、今まさに同じ轍にはまり込もうとしていると気づけるはずだ。危機は、シグナルや兆候を読み取るスキルが足りないためにもたらされるわけではない。危機は見込み違いによって生じる。起こりうる危機ではなく馴染み深い危機に、われわれは常にとらわれるからだ。

(中略)計画立案者は、もっと緻密に、もっと多面的に考え、幅広い不測の事態を斟酌しなくてはならない。ところがウォルステッターが示すように、重責を担う「計画立案者」は、同盟国との外交や軍種間の交渉、予算の公聴会、国民の議論にも責任を負う。彼らはとにかく忙しい。これはまさに政府の抱えるジレンマだ。その結末の一部については、この優れた本の中で容赦なく描かれている。」


*S62年に読売新聞社から出版っされた パールハーバー と同一の訳本と思われる。(今回は全訳)
暗号について
全編随所に、日本の暗号を解読した米側の状況が述べられている。
特に、第3章「マジック」
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