暗号戦史
「ミ行 作品」
作品名 密使    米国の対日諜報活動  (SECRET MISSIONS)
著者名 エリス・マーク・ザカリアス  (ELLIS M. Zacharias) (訳:土屋 通夫)


発行日:S26.3.15
出版社:改造社
形式:四六判(ソフト)


日本との秘密戦」と原書は同じ

目次
第1部
第2部
第3部
ストーリーの概要
日本通で、1920年駐日実大使館付の語学将校として勤務、第2次大戦末期、日本に対する心理戦の指導者として活躍、海軍少将で退官した著者の回顧録。太平洋戦争の諜報活動や心理戦戦争の実情を記述。

目次の細部
第1部
 1 東京勤務 2 逗子の一異邦人 3 サトウさんの訪問 4 北と南に向く日本 5 「M計画」 6 エピソード「フィガロ」 7 最高の機密 8 無線通信の伏兵 9 再び訪れた日本

第2部
 10 作戦課題十四 11 横山司令官ニューポートへ行く 12 二股諜報員と外交官 13 人類学者、戦略家となる 14 パール・ハーバーへの序曲 15 操縦席の山本 16 発砲戦争始る 17 真珠湾の教訓 18 海の間奏曲
第3部
 19 戦時中のワシントン 20 海軍諜報局次長 21 OP-16-W 22 海上への迂回 23 降伏への序曲 24 作戦計画1−45 25 東京からのメッセージ 26 決定的放送 27 ポツダム宣言の裏話 28 勝利 終章 将来への見通し
暗号について
* ワシントン会議時の米による暗号解読・・・具体的記述なし
* 戦艦「ヴァージニア」にコックとして多くの日本人が働いていた・・・・難解な日本語に興味を持つ
* 海軍省2646号室における勤務・・・暗号分析
 ・ 軍における暗号の重要性について歴史的経緯を記述・・・第2次大戦前までは米の暗号は弱かった
 ・ ドイツの暗号機関は最上、ドイツ諜報機関の最大の勝利は有能な暗号解読関係者に負うところが大。
 ・ ドイツの「シーライオン」作戦・・・英の暗号解読により順調に実施していたが、英の暗号変更により英への進攻不可能に。
 ・ 暗号解読は諜報活動の一部に過ぎない・・・・補充的なもの
 ・ 暗号解読者は、献身した名誉を顧みない真の情熱が必要
   ミッドウェー作戦、山本長官の撃墜時の作戦担当者は叙勲されたが、暗号解読関係者は勲功なし
* 上海絹務・・・東京都各艦隊の間の無線傍受、評価、暗号解読、米無線局の監督
 ・ 米領事館の4階に無線局・・・日本人が出入りしているのに驚く → 立入禁止に
 ・ 1927年の日本海軍の演習時、軍艦「マーブルヘッド」に乗り込み日本海軍の通信を傍受
   ・・・秘密裏に行動していたが、ある海軍士官の奥方に行動がばれる・・・士官が奥方に話したのだ・・・警告
* 真珠湾の教訓
 ・ SIS(米陸軍信号諜報部)、ONC(米海軍通信部)という純技術的機構に諜報機能を握らせたこと
   2年がかりで、海軍諜報部の所管事項とした。
 ・ 諜報機構が不能率
  例:レイトン少佐は優秀だが、階級は少佐→大佐がいないと発言力が弱い。且、補佐が少ない。
 ・ 通信諜報部のロシュホート少佐も同様
 ・ 11月〜12月の日本海軍の通信を傍受・・・その変化を分析した。
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