暗号戦史
「ニ行 作品」
作品名 日本との秘密戦   (SECRET MISSIONS)
著者名 エリス・M・ザカリアス   (Ellis M. Zacharias)    (訳:新岡 武)
発行日:S33.11.1
出版社:日刊労働社
形式:四六判


密使」の新版
目次
1 日本海軍を背負う三人男
2 なぜ日本はアメリカを恐れるのか
3 総員起こしの招集ラッパ
4 在米スパイの親玉、山口多聞
5 おいらは司令長官に重要な話があるだ
6 日本の「買物予定表」
7 "孤独の狼"寺崎二等書記官
8 野村大使との密談
9 バクチ打ち山本五十六
10 対・独伊心理戦に勝つ
11 天皇は日本の「風向報知器」だった
12 伊勢神宮を爆撃するな
13 こうすれば日本は降伏する
14 対日放送の手ごたえ
15 高松宮の述懐
16 ポツダム宣言のかげに
附録:日本向け放送(第1回より第14回)全文
ストーリーの概要
太平洋戦争の諜報活動や心理戦の面に視点を置いて記述。

(日本語版のための序文)
「どうすればわれわれは恒久平和を勝ち取れるのか」・・・二つの面
@将来の安全保障が、米国民及び将来のわが最高司令部が諜報と心理活動の規模ならびに重要性について目覚めることができるかどうか。
A日本を将来の世界平和と安全保障に寄与させるようにする。

目的は、安全保障を危うくし、戦争を招来するのに最も与って力があったと私が感じた事柄を、明確に指摘すること。
もし、日本人が、かって合衆国が日本の友となろうと努めた当時に生起した全ての事柄を十分に知る機会を与えられれば、いまや日本にとっては偉大な将来が横たわっている。

「密使(SECRET MISSIONS)」の再発行のようだが、訳者、出版社が異なるため、内容が異なっている。
その主たる原因は、全訳ではないため、カットされた部分が異なるの為だろう。
本書は、暗号及びそれに起因する秘密戦はずくなく、著者自身が行った日本無得放送等の秘密戦が主体である。
「密使」の方は、日本に対する米国の秘密戦全般を取り上げて訳している。
両方読むことで、原書に近くなるのであろう。
野村吉三郎の「序」と著者の「日本語版のための序文は、双方とも同じである。
暗号について
1 日本海軍を背負う三人男
 ・暗号解読で得られるのは部分的であり、覚書等の参考資料は殆ど含まないっし、主張や妥協点が明らかでない。
5 おいらは司令長官に重要な話があるだ
 ・1933年の日本海軍の大演習時、無電連絡を傍受し、情報を得た。
6 日本の「買物予定表」
 ・日本人スパイ大前大尉は、女に甘かった。書類カバンから日本情報機関の「買物予定表」っを得た。暗号解読書の入手も含まれていた。
9 バクチ打ち山本五十六
 ・日本外務省の「風暗号」と「隠語暗号」
10 対・独伊心理戦に勝つ
 ・ヒットラーの大作戦:「ヘラクレス」→「マルタ島占領作戦」、「アントン」→「ジブラルタル占領作戦」
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